シンプルの美学
1982年に発売されたモノフォニック・シンセサイザーSH-101は、当時発売されていた複雑なシンセサイザーの中にあって、その特徴的な音色、1VCO、1VCF、1VCA、1LFOというシンプルな構成、リーズナブルな価格でたちまち人気のシンセサイザーとなりました。明るくエッジのある音を特徴とし、さらにワクワクするようなサウンド・エフェクトで、多くのアーティストがその虜になりました。特にそのベース音は高く評価され、どんなミックスにもしっくりとはまります。
誕生から30年以上経った現在でも、SH-101のサウンドは世界中のクリエイターに愛されています。さらにSH-101はコレクターズ・アイテムでもあり、レコーディング・スタジオの定番機材でもあります。そして今、SH-01Aがインスピレーションの源として蘇ります。
「A」は「Authentic=本物」
オリジナルのSH-101が入手困難となった現代でも、多くのアーティストがそのサウンドを求めて、サンプル集やソフトウェア・シンセサイザーを使用してきました。SH-01A はオリジナルに搭載している機能を忠実に再現した、コンパクトかつリアルなSH-101です。
Roland独自のACB(Analog Circuit Behavior)テクノロジーにより再現されたそのサウンドは、SH-101の元気のいいサウンドをそのまま再現。SH-01Aは、サウンドだけでなくアナログ回路の振る舞いを、ローランド独自のACBテクノロジーで忠実に再現。当時の開発エンジニアへのヒアリングを通して、回路図通りにならないサウンドやパラメーター変化を徹底リサーチ。ピッチの微妙な揺らぎやLPF、ENVの特徴的な振る舞いなど、SH-101のアナログ回路設計に起因するパラメーターの相互作用までACBテクノロジーで完全再現しました。そしてそれは、次の世代の101ファンに受け継がれていくでしょう。
インスピレーションを呼び起こす不朽のシーケンサーが蘇る
オリジナルSH-101の最もクリエイティブな機能の一つが100ステップ・シーケンサー。もちろん、それはSH-01Aにも搭載されています。さらにSH-01Aは64のシーケンス・パターンを保存することができます。好きなときにパターンを呼び出し、CV/GATE、MIDI、USB MIDIを介して、シーケンサーでモジュラー機器をはじめ、ハードウェア・シンセやプラグインをコントロールすることができます。
ポリフォニックへの進化
SH-101はパワフルなサウンドを生み出すモノフォニック・シンセサイザー。SH-01Aは、ACBテクノロジーにより再現されたアナログ回路を4倍に拡張。同時発音数が4音となりました。オリジナルSH-101相当のMONOモードに加え、UNISONモードでは4つの音をレイヤーさせて、ベースやリード音の迫力をさらに増すことができます。CHORDモードでは、4音の和音再生ができ、半音単位で上下にシフトすることができます。POLYモードでは同時に4音を演奏することができ、パッドやコードを弾けるようになりました。
ポータブル&パフォーマンス指向
SH-01Aには64のパッチ・メモリーを装備。シーケンス・トラックのプリセットとして使用することも、新たなサウンド・デザインの出発点として使用することもできます。SH-01Aは内蔵スピーカーを備え、電池駆動も可能で、どこにいてもパフォーマンス可能。オプションのキーボード・ユニットK-25mと組み合わせればミニマム・サイズのシンセサイザーとして、ステージやスタジオに持ち出すこともできます。メタル・ボディを採用しオリジナルと同様の堅牢設計のノブやスライダーを採用しているので、気軽に持ち運ぶことができます。ミニマムでパワフルなシンセサイザーSH-01Aは、あなたのスタジオに、インスピレーションを満たしてくれるでしょう。