イントロダクション インターフェース センサー技術 サウンド ヒストリー サウンド ローランドは、アコースティック・ドラムの振る舞いを再現するモデリング・テクノロジーにより、楽器としての圧倒的な表現力を求めてきました。 リアルな演奏体験の追求 ローランドでは、Vドラムの開発当初からアコースティック・ドラムの振る舞いをデジタルで再現するモデリングというアプローチを一貫して採用しています。モデリング・テクノロジーにより、従来のサンプリング技術では不可能なアコースティック・ドラムの複雑で奥深いダイナミクスの変化や奏法による音色変化を実現しました。これにより、Vドラムは他のサンプリング方式のデジタル・ドラムとは一線を画したドラマーの演奏表現、インスピレーションに気持ちよく応える楽器としてのドラムになりました。 アコースティック・ドラムの徹底した分析。スペックでは語りきれない表現力の追求。 従来のデジタル・ドラムでは、サンプリングされた波形データのサイズやサンプリング・レートを音の良さの基準の一つとしています。しかし、こうした要素はデジタル楽器の実際の音の良さ、表現力の高さを決定するものではありません。ローランドでも、アコースティック・ドラムの音を徹底的に分析しています。その分析する素材を収録する際にも、どのように収録するかというノウハウが大変重要になります。一流のプレーヤーの演奏を、最適なマイク・セッティングで収録しないと分析データとしては使えません。ローランドでは、こうした楽器の分析にも徹底的にこだわりをもって研究を進めています。こうした目に見えないノウハウの蓄積が、楽器としての完成度の高さにつながる訳です。 目指したのは、ドラムならではの奥深いサウンド。複雑な発音プロセスを忠実に再現するモデリング音源システム。 アコースティック・ドラムのサウンドは、さまざまの楽器の構成要素が複雑に相互干渉することで、奥深いサウンドが形作られています。たとえば、スネアでは、ヘッドをスティックで叩くと、ヘッド、リム、シェル、スネア・ワイヤー、アンビエンスなどがそれぞれから出るサウンドが複雑に干渉しあって、スネアのサウンドとして耳に届きます。V−Drumsのモデリング音源では、こうした要素一つ一つをコントロールし、楽器の複雑な振る舞いを忠実に再現することで、臨場感溢れるサウンドと表現力を実現します。 音資料の収集と解析 ローランドのサウンド・デザイナーは、状態の良い名機と言われる楽器を探すために世界中を飛び回り、それを海外にある世界最高峰のスタジオで、一流のスタジオ・エンジニアとともに、音を収録しながら実験と評価を繰り返しました。 ドラムを知り尽くしたエンジニアが作る音源回路 ローランドのエンジニアは、誰もが楽器、音のスペシャリストです。彼らが作り出す回路は、単にパーツ、パーツをつなぐものではなく、ドラムに最適な高音質なサウンドをロスなく出力するための、高音質回路が組み込まれています。それぞれの楽器の繊細な響き、息遣いまでも音として出力できる独自の技術ノウハウが凝縮されています。 モデリング技術で、生楽器音からの共鳴音を忠実に再現 ドラムが演奏される場所のアンビエンスも、ドラムの音色に影響を与える大きな要素です。Vドラムには、理想的なアンビエンス・サウンドを作り出すためにDSP資源が惜しみなく投入されています。また、最新のTD-50では、演奏場所の空間アンビエンスだけでなく、シェルの共鳴音、スネア・ワイヤーの響き音など、楽器自身から出る共鳴音までモデリング技術で忠実に再現、コントロールすることができます。空間アンビエンスと楽器からの共鳴音が複雑に干渉することで、アコースティック・ドラムならではの臨場感を実現しています。 AD2016 TD-50 Drum Sound Module 独自の新しい「Prismatic Sound Modeling」技術を搭載した新開発音源により、あらゆる奏法による楽器のふるまいをサウンドに反映。ドラマーの想い通りの表現を可能にしました。 シェルの深さ、ミュートなどをシミュレーション。モデリング音源が可能にしたフレキシブルなカスタマイズ性 フレキシブルに楽器のサウンドをカスタマイズできるのも、モデリング音源ならではの大きなアドバンテージです。たとえば、シェルの深さ、チューニング、ミュートの仕方、マイク・ポジションなど、実際のアコースティック・ドラムをカスタマイズするのと同じ感覚で、自分好みのサウンドを作り上げることができます。また、最新のTD-50では新たに開発されたトランジェント機能により、楽器の音質は変えずに、アタックやリリースなどの微調整も可能になりました。 回路基板とアートワーク設計 TD-50では、フラグシップ・ドラムの音源にふさわしい音質設計のための、DAコンバーターの部品選定と検証を厳しく行なっています。また、出来上がった基板に対しても、波形測定など徹底的な品質検証が実施されました。 インターフェース アコースティック・ドラムの構造、物理的特性を徹底的に追求したスネア、タム、ハイハット、キック センサー技術 ローランドでは、Vドラムの開発において、長年にわたり、一打一打のレスポンスの速さ、楽器ならではの演奏表現を忠実に再現させるために、様々なアプローチでセンサー技術を磨いてきました。 ヒストリー 1997年に、世界最初のメッシュ・ヘッド・パッドを搭載したV−Drums TD-10をリリースして以来、ローランドは20年にわたり、Vドラムを表現力豊な楽器とするために追求し続けてきました。