アコギをエレキにする超簡単な方法

配信日 2020・10・8

おはようございます。
坪井佳織です。

先週は(※2020年当時)、Boutiqueシリーズの仲間入りをした、TR-06をご紹介しました。オリジナルの製品はTR-606です。808、909に代表されるTRシリーズのエントリーモデルとして、TB-303と同時に発売されました。

電池駆動が故の「期せずして歪んだ存在感抜群のハイハット」、「タムとスネアは808と同等のクオリティ」。ただ808を簡単にしただけではなく、回路図を見たエンジニアに「どうかしてるゼ!」と言わしめた魂のこもった設計でした。

メルマガ読者様でリズムボックス収集家として有名なRHYTHMBOXERさんに、TR-606の魅力を聞いてみました。

606はですね...俺は個人的には見た目が好きです(笑)。
808の廉価版って事で当時買った人いたって聞いておりますが、303共に当時は不評だったとも聞いております(笑)。
606の魅力はやっぱり見た目含めての音のチープさですね。チープさ故に曲の中で異様に存在感があったり、音の加工もしやすいマシンです。
自分のリズムマシンコレクションの中では2台目に手に入れたマシンですが、当時から808、909に比べ安かったってのも魅力でしたね。

そうそう、見た目が可愛いんですよね〜。
TR-06はさらに可愛くギュッとなったので、みなさまもぜひぜひ、ご覧になってください。

さらに、Roland Cloudにご登録のみなさま、このたび、プラグイン・シンセとしてTR-606 Software Rhythm Composerが追加されました〜!パチパチ。

開発チームから、RPG第3開発部のイケメン・エンジニア、渡邊 靖之さんにお話を伺いました。


(Zoomで取材しました、会社の防音室かと思ったら実は...)

渡邊さんは、入社してから長くBOSSでモデリング技術の信号処理の開発をしていらっしゃいました。その後、ローランドに異動してR-MIXという、超すごい抽出技術に携わり、AIRAシリーズではACB(Analog Circuit Behavior:アナログ回路のふるまいをモデリングするローランド独自の技術)の立ち上げに関わった、信号処理のスペシャリストです。

R-MIX >>


(R-MIXは、独自の技術でステレオのオーディオを周波数、定位、音量で分析し、音量や定位を変える/消す/残す/エフェクトをかけるなどのリミキシングができる画期的なソフトです)

AIRAシリーズ >>


(AIRAは、2014年に発売された「TR-8」、「TB-3」、「VT-3」、「SYSTEM-1」の4機種から続く、ダンス・ミュージック・シーンで新しいサウンドを創造するシリーズです)

ちなみに、ご自身で作ったAIRAシリーズに囲まれているこの部屋、会社ではなくご自宅です。
自分が欲しいシンセを作り、自腹で購入したそうです。

「10年、20年使える楽器を目指して作ったので、自分でも持っておこうと思って」

メルマガのために、電源を入れてLEDをチカチカと光らせてくれてます。


(左上からTB-3、SYSTEM-1、VT-3、SYSTEM-8、JU-06A、TR-8、MX-1。MX-1 はテレワークのビデオ会議用ミキサーとしても重宝しているそうです)

「わ〜、ありがとうございます〜。
メルマガのために、デモモードを仕込んでくださったんですね〜」

「あ・・・、いえ、こうして仕事すると落ち着くので、いつもチカチカさせてます。
ちなみに、テレワークですけど、ローランドUS(アメリカ)でもらったTシャツを着て仕事してます。夕方になったら、オフに切り替えるために、清水エスパルスのTシャツに着替えます」


(ローランドUS制作のTR-808 Tシャツ)

ローランドのシンセのデモモードはすっごく評判が良く、大物ミュージシャンから「ステージでチカチカさせたいので、なるべく早い時間でデモモードに入るようにして欲しい」という要望が入ったほどでした。

渡邊さんは、中学生のとき浜田省吾に衝撃を受けてギターを始めました。わたしが大学生時代は、男子はみんな浜省か佐野元春を聴いてましたね〜。

家にあったクラシック・ギターにヘッドホンをかぶせ、ラジカセのオーディオ・インに突っ込んでピックアップ代わりにし、簡易エレキとして弾いてたらしいですw
そんな裏技、みなさん、知ってましたか?!


(編集部注:ローランドが保証する使い方ではありません)

AIRAシリーズの開発では、ACB(Analog Circuit Behavior:アナログ回路のふるまいをモデリングするローランド独自の技術)の立ち上げに携わりました。

AIRAがデビューしたときのACBの解説動画に渡邊さんが出演されていますのでぜひご覧ください。

https://youtu.be/cy428RHu1mw

特に、TR-8の開発時には、808のキックの音をDSPで再現するために1ヶ月くらいかけたそうです。そのときにキーとなる計算式を教えてくれたのが、オリジナルのTR-909を開発されたベテラン・エンジニアの星合厚さんでした。

そういう経験を元に、渡邊さんがこだわって設計したのがTR-606 Software Rhythm Composerです。TR-606の音をサンプリングして鳴らすソフトウェア音源ではなく、ACBでこだわりの再現をしたサウンドを、さらにDSPで好きなようにウニウニと加工できちゃいます♪

「先週のメルマガで永澤さんが熱く語っていましたが、TR-606の特徴/使われ方として、ハイハットの音があるんです。

本来のドラムのバランス的には『そこまでハイハットが出てこなくても、、、』という印象ですが、それがTR-606の特徴でもあります。

RHYTHMBOXERさんが書かれているチープな印象というのも、もしかしたらハイハットがチキチキと鳴っているイメージから来ているのかもしれないですね。

ACB版のTR-606では、オリジナル機では変えることのできない ディケイ(音の長さ)を調整することができます。TR-606バスドラムのディケイを上げると、808風なブーンブーンと鳴るバスドラムにもなるんです。さらにゲインを上げて軽く歪ませると、、、かなりイイ感じです!

チープな印象はもちろん、重圧感のあるドラム・サウンドも鳴らせます!」

さらに、PC上ならではの拡張性を活かしてあります。

元々はこういう顔なんですけど・・・

こんな風に大きくなってつまみの数も増えます!

オリジナルのTR-606/ちっこくて可愛いながらも密かにパワーアップしてるTR-06/DAWで使えるTR-606 Software Rhythm Composer、あなたならどれを選びますか?!

関連記事のご紹介

TR-06

Drumatix

Roland往年のリズム・マシンTR-606をモデルに、実用的なアップデートを加えたTR-06がBoutiqueシリーズに登場。オリジナル・モデルの個性あふれるサウンドと象徴的な外観を、可搬性に優れたコンパクトな筐体に忠実に再現。

TR-606

Software Rhythm Composer

TR-606 Software Rhythm Composerは、ローランド往年のリズム・マシンTR-606 Drumatix―かつてアンダーグラウンド・クラシックを席巻し今なお高い人気を誇る―を精巧に再現したソフトウェア。オリジナルと同じサウンドとふるまいを備えています。

当記事はメルマガ「ローランドの楽屋にて」のバックナンバーです。
本文中の製品情報や社員の役職等は配信当時のもので、現在とは異なる場合があります。

これからも全力でゆるい楽屋ばなしをお届けしてまいります!

ライター・プロフィール

楽屋の人:坪井佳織 (つぼい かおり)

電子ピアノや自動伴奏の開発に携わっていた元ローランド社員。現在、本社近くでリトミックを教えています。元社員ならではの、外でも中でもない、ゆるい視点でメルマガを執筆しています。どうぞよろしくお願いします。

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