Hybrid Drums - FAQ

HYBRID DRUMS
FAQ

プロからアマチュアまで大きなメリットがある「ハイブリッド・ドラム」。ドラマーの間で着実に広がっています。なぜ、アコースティック・ドラムとエレクトロニックが融合したハイブリッド・ドラムの活用がここまで進んだのか。その理由をご紹介します。ハイブリッド・ドラムは、ドラム・サウンドの新たな可能性を切り開きます。そして、ライブあるいはスタジオで、個性を出すために欠かせないアイテムです。
このページでは、自身のドラムをハイブリッド・ドラムにしたいと思っている方に、そのノウハウを紹介していきます。
ハイブリッド・ドラムを初めて導入する時は、まず、自分自身が何をしたいのかを理解すること、そして、1つ1つのアイテムの違いをしっかりと把握することが大切です。この2点を最初におさえておけば、納得のいく機材選びが可能です。ここでは、少しでも納得のいく機材選びができるようサポートします。
このページでは、何から始めて良いかわからないというドラマーのために、よくあるご質問をまとめました。

ハイブリッド・ドラムってなに?

アコースティック・ドラムに電子ドラムの音源やパッド、電子パーカッションなどを取り入れたセットのことです。アコースティック・ドラム・サウンドの「増強/強調」や、エレクトロニック・サウンドやオリジナル・サンプルを「重ねる」、ドラム・セットの「拡張」などが実現します。また、アコースティック・ドラムの見た目と演奏感を損なわずに、表現力が高まります。

ハイブリッド・ドラムは難しくありません。例えば、足元にトリガー音源モジュールTM-1トリガー・パッドをセットしたら、セッティング完了。パッドを叩けばエレクトロニックなサウンドを鳴らすことができます。

他にも、ドラム・トリガーをスネアに取り付け、クラップの音を重ねてクラブ・サウンドを鳴らしたり、バス・ドラムにドラム・トリガーをセットして低音を増強し、パンチのあるサウンドにすることも可能です。まずはベーシックなハイブリッド・ドラムに挑戦し、その先はアイデア次第でハイブリッド・ドラムの可能性は広がります。

ハイブリッド・ドラムは、決して新しいものではありません。Terry Bozzio (Frank Zappa)やTommy Lee (Mötley Crüe) 、Danny Carey (Tool)などの著名なドラマー達は、ドラム・トリガーを活用して、斬新な音を鳴らす試みを早くからはじめていました。DJやポップスのステージでは、アコースティック・ドラムとエレクトロニック・ドラムの境界線がなくなっていったのです。

そして、さらにハイブリッド・ドラムの世界は広がり続けています。今日ではテクノロジーの発展により、一層パワフルで、手軽で、可搬性も増しています。

ハイブリッド・ドラムをはじめるために何が必要ですか?

ハイブリッド・ドラムでは、大きく分けて、以下の3つの効果を得ることができます。
① ドラム・サウンドを「増強する」
② ドラム・サウンドに音を「重ねる」
③ ドラム・セットにないサウンドを「拡張する」
ハイブリッド・ドラムを導入する前に、自分の音楽の方向性や、その中でハイブリッド・ドラムが担うことのできる部分を明確にしておくことをおすすめします。

ハイブリッド・ドラムを活用して最終的にどのようなドラム・セットでどのような音楽を演奏したいのか、やりたいことを考えることで、買い替えによる余計な出費も防ぐことができます。特に、トリガー・インプットの必要数(何個までドラム・トリガーやパッドが接続できるか)は、やりたいことが増える可能性を考えた上で機種を選びましょう。一旦、理想とするハイブリッド・ドラムセットを書き出してみると、音源モジュールが欲しいのか、それともサンプリング・パッドが欲しいのか、が見えてきます。そして、ドラム・トリガーを何個取り付けたいのか、オリジナルのサンプルを取り込む必要はあるか、SPD-SXのようなパッド一体型がいいのか、トリガーを接続したほうがいいのか、などを考えてみましょう。自ずと、あなたにぴったりな音源モジュールが見えてくるはずです。

音源モジュールが決まったら、どのようにそのサウンドを鳴らすのかを選択します。音を増強/強調したいのか、音を重ねたいのか、ドラム・セットにない音を拡張したいのかが、予めわかっていれば、どのトリガー・タイプを選べばいいかも明確になるでしょう。例えば、ワン・ショットのサンプルを鳴らしたいのであれば、足元に置くトリガー・ペダルや、スネアにバー・トリガー・パッドを取り付けるような方法があります。バス・ドラムに低音を重ねて音を増強するためには、バス・ドラムにドラム・トリガーを取り付けるのがよいでしょう。ドラム・トリガーやパッドは以上にたくさんの種類があります。きっと、しっくりくるものがあるはずです。

ドラム・トリガーってなに?

ドラマーにとって「トリガー」という言葉は「アコースティック・ドラム・トリガー」を指すことが多いですが、大きくは「電子楽器の音を鳴らすツールの総称」のことを言います。「アコースティック・ドラム・トリガー」は、ハイブリッド・ドラムの最もベーシックな機材です。このタイプの「トリガー」は、スネアやバス・ドラムのリムに取り付けることにより、ヘッドやリムに接地したセンサーがその振動を検知し、その電子信号が接続された音源モジュールなどに送られることで音が鳴る仕組みになっています。

Rolandではアコースティック・ドラム・トリガーとして「RT-30シリーズ」をご用意しています。その中で、「RT-30HR」はヘッドとリムそれぞれの振動を別々に検知し、それぞれ別々の音を鳴らし分けることができます。スネアやタムのヘッドだけで良い場合は「RT-30H」を、バス・ドラムに使用したい場合は「RT-30K」を使用してください。
その他、電子ドラムのパッドや、キック・パッドなどをトリガーとして使用することができます。これらは、自身のアコースティック・ドラム・セットにない音を拡張したいときに最適です。どこに設置するか、どのような演奏をしたいかによって、さまざまな形とサイズ、素材が選べるのもうれしいポイントです。例えば、キック・パッドであれば、リアルな踏み心地と静粛性、省スペース性を併せ持った「KT-10」や、コンパクトながらも自身のキック・ペダルを使用できる「KD-7」、取付場所を選ばず、自分のセッティングをキープしたまま組み込めるバー・タイプのトリガー・パッド「BT-1」、もちろんすべてのVドラムのパッド類も使用することができます。他にもハイブリッド・ドラムの定番、サンプリング・パッド「SPD-SX」や、コンパクトでありながら音源とパッドが一体型となった「SPD::ONEシリーズ」などがあります。

ドラム音源モジュールとトリガー・モジュールはどう違うの?

すでにV-Drumsをお持ちであれば、ドラム音源モジュールが何をするものなのかおわかりいただけるでしょう。電子ドラムの心臓部であるドラム音源モジュールは、ドラマーの叩き方によって多彩に音色が変化していきます。そのアコースティック・ドラムにも迫る表現力は定評があります。

一方、トリガー・モジュールは主にワンショットのサンプルの再生に向いており、叩く強さ(ベロシティ)に応じて音量が変化する仕様になっています。鳴らすサンプルはドラム音だけでなく、ボーカルやギターのリフ、効果音、そして長めのループ素材など、どんなものでも問題ありません。トリガー・モジュールの中でもフラッグシップ・モデルのTM-6 PROには、オリジナル・サンプルの取り込みや、音色を重ねて鳴らせる「レイヤー機能」に加え、あらかじめ高品位なワンショット・サンプルが500種類も用意されています。さらに、ドラム音色については、ドラム音源モジュールの強みである音色変化を実現、両方の強みを併せ持ったベスト・ソリューションです。本体ボタンでもサンプルの再生が可能など、ライブやレコーディングに向けた準備にも便利な機能を備えた一台です。

サンプルはどうやって集めたらよい?

クオリティが高いワンショット・サンプルやループ素材はどのように探したらよいのでしょうか。

ローランドのドラム音源モジュールやトリガー・モジュールには、あらかじめ高品位なサンプルが用意されているモデルがあります。これからハイブリッド・ドラムを始めるビギナーの方は、まず音源に内蔵のワンショット・サンプルを使ってみましょう。操作に慣れたら、インターネット上のライブラリを探してみましょう。オンライン上には膨大な数のサウンドが提供されています。クラシックなスネアのサンプルから、80'sダンス・ミュージック向けのキックのサンプルまで、探せば探すほどあなたに合ったサウンドが見つかるはずです。もちろん、そのサウンドを活用する場合にはロイヤリティなどに注意しましょう。

レコーディングしたサンプルを活用することもひとつの方法です。レコーディングした音色を使って演奏することで、作品と同じハイ・クオリティなドラム演奏が可能です。レコーディング・セッションで録音したサンプルを音源モジュールにインポートして、ドラム・トリガーを設定しましょう。接続した電子ドラムのパッドや、アコースティック・ドラムに取り付けられたドラム・トリガーにより、そのサウンドをアコースティック・ドラム本来の音に重ねることができます。

ローランドの音源モジュールやV-Drumsパッドは、他メーカーの製品と組み合わせて使うことは可能ですか?

ローランドの音源モジュールは、ローランドのトリガー・パッドで最適に動作するように設計しています。親和性や信頼性から考えても、ローランド製同士の組み合わせで使うことをおすすめします。ローランドのトリガー・パッドと同様に、ステレオ・トリガー・ケーブルで接続可能な他メーカーのトリガー・パッドでも動作するものもあります。ローランドの音源モジュールは、感度やスレッショルド、スキャン・タイムやクロストークの設定など、多くのパラメーターを持つため細かく調整することで使用することができるかもしれませんが、動作の保証はできません。

ハイブリッド・ドラムのサウンドをモニターするよい方法はありますか?

アコースティック・ドラムの音とエレクトロニック・サウンドのマッチングを確認したい時はどのようにしたらよいでしょうか。練習スタジオや小規模なライブ・ハウスであれば、外の音も聞こえるオープン・エアー・タイプのヘッドホンを使ったモニタリングがおすすめです。ローランドでは「RH-A30」あるいは「RH-A7」というヘッドホンがこれに該当します。ぜひお試しください。

また、出力の大きな電子ドラム専用モニター・スピーカー「PM-200」の利用もおすすめです。アコースティック・ドラムとPM-200から出力されたエレクトロニック・ドラムのサウンドが空間でミックスされ、ヘッドホンなしでも確認することが可能です。

スタジオ・レコーディングでドラム・セットがマイキングされている場合は、アコースティック・ドラムの音と、エレクトロニック・サウンドの両方をオーディオインター・フェースやミキサーでまとめて、イヤー・モニターに送る方法が取れます。

ステージでは、音源モジュールの音は直接PAミキサーに送られるので、ステージ上のモニター・スピーカーやイヤー・モニターでモニターできるようPAエンジニアの方にお願いしてみましょう。プロにお願いすることで、自分自身がベストな環境で演奏できるのはもちろん、観客もヌケのよいドラム・サウンドを楽しむことができます。

V-Drumsパッドやドラム・トリガーは、どのようにアコースティック・ドラムに組み込んだらよいでしょうか?

ドラム・パッド単品を好きな場所に設置する場合でも、大掛かりなアコースティック・ドラムのセットに、ドラム・トリガーやドラム・パッドを複数追加する場合でも、必ず自分に合ったセッティングが可能です。ローランドのパッド類は、大手ドラム・メーカーのL字ロッド・タイプのマウント(ロッド径:8〜12.5mm (⅜-½ inch))に対応しています。すでにアコースティック・ドラム用のアタッチメントを持っている方はそのまま取り付けが可能という場合が多いかもしれません。

PDX-100やPD-108/128など、いくつかのRolandのV-Padは、パール製のマウント・システムと互換性があります。バー・トリガー・パッドのBT-1は、大半のアコースティック・ドラムのスネアやタムのリムに直接取り付けることができます。アタッチメントを取り付けることで、ロッド型のマウントにも取り付けが可能で、本体のコンパクトさと相まって、非常に組み込みやすいパッドです。元々のセッティングを変更したくない場合は、音源としてフロアに直置きして使えるTM-1や、音源とパッドが一体型のSPD::ONEシリーズを組み込むのもよいでしょう。バス・ドラムにトリガーを取り付けたくない方は、キック・ペダル型のKT-10を別にセットするのも方法の一つです。

アコースティック・ドラムのヘッドをメッシュ・ヘッドに変更することは可能ですか?

ローランドのメッシュ・ヘッドは、アコースティック・ドラムのヘッドと同じ機構のため、取り付けが可能です。Rolandのメッシュ・ヘッド「POWERPLY」)シリーズに変更することで、静かに練習することが可能です。

ここまでドラム・トリガーを取り付けたり、電子ドラムのパッドをアコースティック・ドラムに加える方法を紹介しましたが、もうひとつ別の方法があります。バス・ドラムをキック・ドラム・トリガーに置き換えることで、アコースティック・ドラムの見た目と打感を保ったまま、トリガー・モジュールと組み合わせてエレクトロニック・サウンドを鳴らすことが可能です。22インチの「KD-220」と18インチの「KD-180」がこれに該当します。

ハイブリッド・ドラムを叩く時、演奏感は変わりますか?

まずはセッティングです。追加したドラム・パッドや電子パーカッションによって設置位置が変わるため、導入直後には慣れが必要かもしれません。ドラム・パッド自体については、メッシュ・ヘッドのものであれば、アコースティック・ドラムに似た打感で叩くことができるので、違和感なく演奏可能です。しかも、ヘッドの張り具合はチューニング・キーで調整することが可能。アコースティック・ドラムのテンションに近づけましょう。ラバー・タイプのパッドは、若干演奏感が異なります。ラバー・タイプのパッド、メッシュ・パッド、アコースティック・ドラムを組み合わせて使う際は、それぞれの打感の特徴に順応していく必要があるかもしれません。

一方、ドラマーがパッドを叩く強さをあえて変える必要はありません。ただし、パッドの近くにあるドラムを叩いた時に、意図せず音が鳴ってしまう症状「クロストーク」が発生する場合はあります。アコースティック・ドラムでスネアが他のドラムに共鳴するのに近い現象です。このような場合は、モジュール側の設定でトリガーの“スレッショルド”の値を大きくしましょう。この値を調整することで、弱く叩いた時に音が鳴りにくくなり、不必要なタイミングで音が鳴るのを防ぐことができます。

1回しか叩いていないのに3回音が鳴ります。故障でしょうか。

時には、1回のストロークで、複数回音が鳴ってしまう「リトリガリング」という症状が発生することがあります。その場合は、音源側で「リトリガリング・キャンセル」の値を大きくすることで、この現象が出にくくなります。


ジャンルを超えて活用されるハイブリッド・ドラム

現代のプロ・ドラマーの間で確実に導入が確実に広がり、スタンダードになりつつある、「ハイブリッド・ドラム」。ハイブリッド・ドラムのメリットは、特定のジャンルやプレイスタイルにとどまらず、あらゆる音楽に広がり続けています。ロックでも、メタルでも、ポップスでもー ドラム演奏のクオリティが向上します。

Rock

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METAL

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POP

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ELECTRONIC

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