AIRA Compact買っていいよ!

配信日 2022・05・12

おはようございます。
坪井佳織です。

わたしには物欲がありません。
定住せずにスーツケースひとつで世界中を旅して暮らすのが夢です。すぐ捨てるし、レンタルできるものは借りるし、どんなに小さなものでも買うまでにものすごく考えま す。思い出の品も心に残して、現物は処分できます。

そんなわたしも、「ただ持ちたい」という物欲がモーレツに燃え上がってしまうものがこの世にふたつだけあります。

それは、「IT関連グッズ」と「楽器」です・・・。いつも買わねばならない理由を探し求めてます。

SP-404MKIIとか、MC-101とか、ヤバっ、買いそう!と思ったものは、人に勧めて買わせることでなんとかこの欲望と闘ってきました。

共感していただける方はいらっしゃらないでしょうか。

そんな「いいから俺に買わせろ!」同志のみなさま、お待たせいたしました。

つい2日前に、我々、買わせろ軍団に「買っていいよ」のチェッカーフラッグが振られました!!

こちらのAIRA Compactシリーズです。

ぎゃーっ!!
こっ、これは・・・!

落ち着け!
分かったから、一旦、落ち着け!!

AIRAシリーズといえば、ガチ中のガチ。わたしのような「ただ持ちたい」だけ勢は近寄ってはならない聖域でした。

このたび発表されたAIRA Compactシリーズは、真上から見ると真っ黒の真四角。紛れもなくAIRAでありながら、少し傾けるとポップなカラー。

持ってみると、めっちゃ軽い!!小さい!!!

この小ささは、機構設計担当の金山さんが「見て!もうこれ以上、小さくできないから!!ギッチギチやで!」と、CAD設計データだけじゃなくて実際に断面を切って見せてくれたという、攻めに攻めて実現したものです。

製品リーダーの久保さんが、下の写真のように3つ持って歩いていると、社内で何度も「何ソレー?!」と声がかかったそうです。

「AIRA Compactは、これまでのAIRAの本気度を中身に詰め込みながら、初めてトラック制作をする方に、「見ただけで使える」「テキトーに触ってたらいい感じの曲ができる」を体験してもらうために開発しました。

このボディにAIRAシリーズで定評のあるACB音源を搭載していますので、あえてスピーカー内蔵にはしませんでした。ぶっちゃけスピーカーを搭載できるスペースもないのですが、どちらにせよこの小ささでスピーカーをつけるとどうしてもペラペラの音になってしまいますから。ぜひ、ヘッドホンや大きなスピーカーにつないで聴いてみてください」

おぉ〜〜!!
めっちゃ音がいい!この大きさなのに、低音がブリブリいってます。

まず、ローランドカラーのT-8は、ドラムとベースのパターンが64種類入ったビート・マシンです。みんな大好きリズムマシン「TR-808」「TR-909」「TR-606」と、ベース・シンセサイザー「TB-303」のサウンドが楽しめます。

上に並んでいるツマミで、音を足したり抜いたり、音量を変えたり、フィルターをかけたり。それだけでだいぶ楽しいですが、ここにギターのカッティングを入れると、さらにセッションのように楽しめます。

次に、鮮やかな青色のJ-6は、ACB音源で再現した「JUNO-60」のサウンドを備えるシンセ・エンジンを搭載したコード・シンセサイザーです。

鍵盤状のボタンに、コードがアサインされています。ダイアトニック・コードが並べられているのではなく、ちょこっとひねった、いい感じのコードがアサインされていて、適当に並べると、おしゃれな進行になるようにできてます。

上部の1〜8のボタンは、五線が書いてある通り、この8小節のパターンが繰り返されます。


最後に、オシャレな赤色のE-4。

これはボイス・チェンジャーです。・・・と、簡単に書いてしまうのがもったいない、使える機材です。

ま、とりあえず、一通りのお遊びはできます。

「えっとぉ〜、主人がぁ〜」と、人生相談するもヨシ。
「いやぁ、わたしはね、社長に言われてやっただけなんですよ」とブローカーになるもヨシ。

いわゆるケロケロボイス、ボコーダーも搭載してます。

歌を録音すると、E-4ならではの楽しみ方ができます。

オーバーダビングでハモることができます。ずっとループしてくれるから、ベン・E・キングの「スタンド・バイ・ミー」のバックをスキャットで入れておいて、気持ちよくボーカルを歌うのはどうでしょう。

その他、特にピッチもキーもビートも気にせず、ただ「アー」と入れます。その後、SCATTER(スキャッター)というダイヤルを適当に回すと、いい感じに切り刻んだり、ピッチを変えたりして、フレーズにしてくれます。エフェクトをかけるとさらに自分の声じゃないみたいな、なんとも言えない不思議なシンセサウンドになります。

実は、わたしは20年以上前にローランド社員と組んでいたバンドで、よく声を素材にしてバックトラックに使っていたんです。そのときは、コンデンサーマイクやハードディスクレコーダー、VSシリーズを使って録音していました。

ところが!

このE-4は、みなさんがオンライン・ミーティングでお使いの、ふつ〜〜のマイク付きイヤホンで、ビックリするほど良い音で録音できるんです!やってみるまで、あの、会議でのモソモソした音質を想像してましたが、充〜〜〜〜っ分です!!

今回の取材で一番驚いたのがこのことでした!

音が良くてびっくり!!

久保さんによると、

「これまで数多くのAIRA製品を担当したベテランエンジニアと、若手社員がタッグを組んで、新しい製品でありながら、これまでローランドが培ってきた技術をしっかりぜいたくに搭載してます。

特に、音の良さに関して、一切の妥協をしていないので、見た目からは想像ができない重厚なサウンドには、エンジニアのこだわりが表れていると思います」

とのことです。

左から、入社4年目、2年目の木下さんと谷口さん。ハードウェア設計を担当しました。

ソフトを担当したエンジニアの皆さん、左から伝説的なシンセJD-800のエフェクト開発も担当していた山中さん、TRとTBが大好きな永澤さん、信号処理のエキスパートの阿江さん、ボイス・エフェクターVTシリーズの田原さん。

「音の良さ」には、もうひとつ、それぞれをつないで音をミックスしたときに、ほぼ劣化しないことも驚きポイントです。

クロックとオーディオのIN/OUT端子がそれぞれ付いています。

OUTからIN、OUTからINにつないでいけば、最初の機器にテンポが合い、ややこしい設定なしに連動します。

「SYNC IN/OUTを使って、AIRA Compact以外のガジェット楽器も一緒に連携させるともっと面白いですよ。」

  他のメーカーさんの楽器にもつないで楽しんでってことですか?

「多くのメーカーさんがお手軽に楽しめる楽器をリリースしてくださったことで、小さな機器を使った、いわゆる『ガジェット系』と呼ばれる音楽シーンが誕生しましたよね。僕たちはエンジニアとしても、いちユーザーとしても、この新しい音楽シーンをリスペクトしています。

だから今回、ガジェット音楽を共に盛り上げたいという想いを込めて作りました。

ローランドもぜひお仲間に入れてください!」


ガジェット音楽!!
わー、盛り上がるといいなぁ!

「電車に乗って、スマホがわりにこうやって曲作りする方がいたら感激ですね〜」

これは皆さんへのフリですよ!本当にやっちゃいましょう!!

コホン。
みなさん大丈夫、ちゃんと聞きますよ。

「でもぉ〜、お高いんでしょぉ〜〜?」

「アメリカでは199ドル前後で販売する予定です。
日本では2万円前後になると思います」

えっ?!
安っ!!!!

絶対、セットで買うよね。

※編集部注:オープン価格になりますので、価格について詳しくは販売店でご確認ください。

買わせろ軍団のみなさま、どうぞすぐに注文なさってください。

わたしはもちろん、発売後すぐに入手する予定です。

これからも全力でゆるい楽屋ばなしをお届けしてまいります!

ライター・プロフィール

楽屋の人:坪井佳織 (つぼい かおり)

電子ピアノや自動伴奏の開発に携わっていた元ローランド社員。現在、本社近くでリトミックを教えています。元社員ならではの、外でも中でもない、ゆるい視点でメルマガを執筆しています。どうぞよろしくお願いします。

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