ローランドが流行りのクラファンでイベント資金集めしてる!と思ったら全然違った話

配信日 2021・09・16

おはようございます。
坪井佳織です。

みなさん、ご存知でしょうか、

ローランドがクラウドファンディング、略してクラファンで資金を集めていることを!

クラウドファンディングとは、インターネット上で思いやアイデアを発信し、それに共感した人が資金を援助し、提示されたリターンを受け取る、新しい資金調達方法です。

え?
ローランドがイベント資金をクラファンで調達してるの?!

えー・・・
全く共感できないなー・・・

自社イベントなんだし、ローランドなんて去年東証一部上場したばかりだし、クラファンって、そういうことで使う仕組みじゃないんじゃない?

・・・っていう話かと思ったら、ぜんっぜん違いました!!!!

簡単に言うと、

1. ローランドがオンラインで楽しめるイベントを開催しますよ(←自費で)

2. そのなかでローランドが窓口となり、

3. コロナで仕事が無くなった音楽関係者に資金援助をしますよ

4. リターンとして、アーティストのプレミア付き自社製品やグッズを提供しますよ

5. さらに集まった資金にローランドが上乗せして寄付しますよ

なので、イベント資金を調達しているのではなく、

『開催するイベントをきっかけに、よかったら皆さんも音楽関係者に支援しませんか?』

という、これは協力するしかない!というものでした。

おそらくですが、全く周知されていないと思うので、今日は、わたしが思ったことを率直にお伝えします。

コロナ禍になってからというもの、ライブエンタメ業界への打撃は、本当にすさまじいものがあります。

今から思うと、2020年はまだマシでした。

「この1回を我慢すれば・・・」という希望があったと思います。
まさか、1年半が過ぎて、まだ医療崩壊しているとは、予想もしていませんでした。

あまりにも長すぎます。
我慢もここまで続くと、収入も心も枯れ果ててしまって、いつ誰がポキンと折れてしまってもおかしくないのではないかと思います。

そんな中、ミュージシャンの方々がファンを思って励ましたり、前向きに音楽に取り組んだりするメッセージをSNSで見ると、泣きそうになります。

わたしの音楽教室でも、休講したりオンラインにしたりして、できることをそーっとそーっと、少しずつやっている感じです。
日々、「そこまでしてやる必要があるのか」「エゴじゃないか」「自粛したほうがいいんじゃないか」という迷いと共に営業しています。

つい先日のできごとです。

かりゆし58さんの「オワリはじまり」という曲を子どもたちに教えていました。

出だしの歌詞やPVの映像が、「子どもの君たち、思いっきり生きたか?」と問いかけるような内容で、グッとくるのです。ぜひ、ググってみてください。

コロナ後の最初の1曲はこれにしようと決めていました。

わたしは小学生のとき、思いっきり小学生でした。

休み時間は友だちとピンクレディーを踊ってました。
給食の時間は、志村けんのマネをして「いっちょめいっちょめ、わぁ〜お」と歌う男子に爆笑し、牛乳を吹き出しました。
帰り道は拾った枝でビートをパシパシ叩きながら、ガンダムの歌を大声で歌いました。

今、子どもたちは暑い日の帰り道でも、マスクをしています。
給食の時間は、1年生でも黙食を守っています。

不要不急の音楽レッスンをすることに迷いを感じながら「オワリはじまり」の出だしのフレーズを教えている途中、小学1年生の女の子が急に泣き出しました。

別室に連れて行って、「何があったの」と聞くと、しゃくりあげながらこう言ったんです。

「あのね、あのね、・・・いい歌だったからさ・・・」

よしよしって背中をなでながら、音楽の力ってすごいなと思いました。

音楽が友だちとの共通体験だったあの日。
「昨日のベストテン見た?」って、10位から1位まで全部歌ったあの日。

この子たちにはそれがすっぽり抜けてるんだなぁ。
だから、こうやって、歌が心を震わせることがすごく大きな体験なんですね。

小学生のときに聞いていた歌って、歌謡曲からアニソンまで、今でも魂の奥に歌詞がストックされてて、イントロを聞いたら自然に出てきます。

みなさんも、音楽と共に生きてきませんでしたか。
音楽が助けてくれた経験はありませんか。

もし、みなさんが今、コロナ禍でも幸いにも収入があったら、音楽に恩返ししませんか。

もう一度、しくみをご説明します。

1.ローランドが窓口になります。

2.リターンの品は、ローランドが用意します。

3.みなさまがリターン品の購入を通してご支援くださった資金は、Music Cross Aidの「ライブエンタメ従事者支援基金」に全額お預けします。

さらに、Music Cross Aidへ皆さまの支援金を届ける際にはローランドから支援金を上乗せします。

4.Music Cross Aidから、ご登録されたミュージシャン、ライブハウス、PAさんや照明さんなどに支援金が送られます。

(みなさんの周りで、ライブエンタメのお仕事が無くなって、音楽を諦めかけている方がいらっしゃったら、ぜひ、Music Cross Aidさんに登録することを教えてあげてください)

わたしたちの思い出をみずみずしく彩ってくれ、辛いときに助けてくれた音楽は、「人」が提供してくれていました。
ミュージシャンはもちろん、アレンジャー、レコーディングエンジニア、デザイナー、PA、振り付け、演出家、衣装さんなどなど・・・、たくさんの方々のお仕事に支えられていました。

コロナ禍が明けたとき、その方々がみんないなくなっていることがないように、培った経験が残っていてもう一度音楽業界を支えるように、支援しませんか?

実はこの発案者は、我が「ローランドの楽屋にて」編集長の足立さんです。

クラウドファンディングというシステムには、以前から興味がありました。

今、日本のライブエンタメ業界はかつてない困難に直面しています。

この状況のなか、ローランドでできることは何か?を考えたときに、Roland/BOSS Players Summitのような"音楽を純粋に楽しんでいただき楽器を始めるきっかけとなるイベント”の開催はもちろん、このイベントに満足感を感じてくださった方、Players Summitに共感して「応援したい」という気持ちになってくれた方、日本の音楽業界のために何かしたい、と思ってくれた方の気持ちを形にできることを用意したい、と感じていました。

日本の音楽シーンを応援するにあたって、あらゆる人が「自分ができること」を表現する選択肢のひとつとしてクラファンは適していると思いました。

そのなかで今回支援金の提供先としてのMusic Cross Aidは、情報がとてもクリアで、どなたに支援が行き届いたのかはっきり見えるところがいいと思いました。

さて、ところで、支援金額をどう考えるかということですが、リターン代だとすると、「1万円のTシャツ?たっか!!」と思ってしまいますよね。

この1年半、もしコロナ禍じゃなかったら、みなさんはライブエンタメにいくらくらい使っていましたか?
コンサートチケット代、グッズ代、交通費や宿泊費など、合わせたらあっという間に3万〜5万はいきませんか?

Tシャツなどのグッズはあくまでもローランドからの贈答品です。

とはいえ、せっかくなら楽しいリターンがいいな〜と思い、足立さんにお願いしました!

先日のVドラム生配信のときにわたしが着ていたTシャツが大人気だったので、このメルマガが発行されると同時に、リターンに追加してもらいました!!!

このTシャツ、本当に人気で、着ていると街で声をかけられますw 「Vドラム持ってます!」とか。

このメルマガが4年に渡って続いているのも、音楽があるおかげです。
お礼を込めて、わたしは今月分の原稿料を全額寄付しました。こんなにクリアな窓口があってありがたいです。必要な方に届きますように。

クラファンページはこちらです。
応援プランを選んでクリックすると、申し込むことができます。

ここまでライブエンタメ従事者への資金援助についてご説明してきましたが、

・・・本当〜〜のこと言うと、

「以前のように普通にライブの仕事をして、みなさんに音楽を届けて喜んでいただきたい。支援をいただかなくても普通に生活できるようになりたい!」

というのが、音楽業界でお仕事をしている方々の本音ではないかと思います。

そこをグッとこらえ、我慢しているライブエンタメ業界のみなさんのために、もうひとつ、お願いがあります。

もし賛同してくださったら、ぜひ、この企画をシェアしていただけないでしょうか。シェアもひとつの支援になると思います。

まだまだ、こういう取り組みが知られていません。
コロナ明けには、またみんなで思いっきり音楽するために、ぜひよろしくお願いします!!

これからも全力でゆるい楽屋ばなしをお届けしてまいります!

ライター・プロフィール

楽屋の人:坪井佳織 (つぼい かおり)

電子ピアノや自動伴奏の開発に携わっていた元ローランド社員。現在、本社近くでリトミックを教えています。元社員ならではの、外でも中でもない、ゆるい視点でメルマガを執筆しています。どうぞよろしくお願いします。

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