ドラムの美しさとは?

配信日 2020・7・23

海の日です!
先日、テレビで与論島の海が紹介されているのを見ました。美しすぎました。10日間くらい、何もせずにぼーっと眺めていたい・・・。

おはようございます。
坪井佳織です。

ローランドには、機構技術部という部署があります。
所属しているみなさんは、ご自身のことを「メカ屋さん」と呼んでいます。

デザインされたものを、実際にどんな材料や部品を使って具現化するか考えるのがお仕事です。

ここで、あなたのメカ屋さん度チェーック!!
以下の特徴が当てはまるあなたは、メカ屋さんにピッタリ!

□ ねばり強い
□ 所有欲がある
□ モノを見ると分解してもう一回組み立てたくなる
□ 臭いを嗅ぐと素材がだいたい分かる


教えてくれたのは、谷田 涼さん、小林 翔太さん、内海 圭太さんのメカ屋トリオです。3人とも「あるある!」ってうなづいてました。

このたび、メカ屋さんチームからの提案で企画された、初めての製品が発売になりました(※2020年当時)。
それがこちら、V-Drums Acoustic Design(VADシリーズ)です!

今までのV-Drumsのデザインと比べてみると、こんな感じ。

ほほぅ~、よりドラムらしい!
このVADは、ドラムとしての様式美を徹底的に追求した新シリーズだそうです。

ドラムとしての美しさ?
ハテナ?

元々あるドラムの形をそのまんま使えばいいんだから、ラック式のV-Drumsよりずっと楽チンなのでは?

「そこがモノ作りの難しいところなんですよ~。
やはり、それぞれの分野で蓄積されたノウハウっていうのがあるんですね。

たとえば、ハットやシンバルを固定する三脚。こんな感じかな~?って設計してみたら、どうも華奢でショボいんですよ。

デザインと機能、両方を兼ね備えて、安定感やかっこよさを実現しようとすると、やっぱり細部までこだわらなくちゃダメだってことが分かりました」

すみません、わたし、ドラムを「美しい」と思って眺めたことがなかったもんで、パッと見ても、かっこいいのか悪いのか、よく分かりません(汗)。その感覚って、開発してたら養われるものなんでしょうか?

製品リーダーの白木 顕介さんが素朴な疑問に答えてくれました。

「最初は分からないからアンバランスになっちゃったんですね。

そこで、プロのドラマーがレンタルするドラムの倉庫へ、どういうのがカッコいいのか見に行きました。

研究して試作を繰り返していくうちに、だんだん、見る目や感覚が育っていきましたね」

へぇ、感覚って、育つんですね~!!

今回、シェルと呼ばれるドラムの筒の部分を木製にしたため、どうしても個体ごとのバラつきがあり、V-Drumsのセンシング(どこをどんな強さで叩いたか検出する技術)が不安定になってしまったそうです。

えー、だったら、木じゃなくて、もっと安定した素材で作れば簡単なんじゃない??

「実は最初は塩ビ菅をぶった切ったら作れるんじゃないかなんて、甘いこと考えてたんですよ。

全然ダメでしたね。
これまでのドラム作りのノウハウが詰まった木製でないと、あの形は無理ってことが分かったんです」

だから、木製シェルにし、ソフトウェア担当者と苦労してセンシング技術を合わせ込んだそうです。

ドラムの見た目は、かっこよさだけではなく、音にも大きく影響するそうですよ。

「音を出さずにシンバルを叩いていると、あぁ、この素材感だなって思うんですけど、シンバルの音を出して叩くと、不思議に硬くなって金属感がするんですよ。

見た目と音によって演奏感覚が変わるんですよね」

お料理の盛り付けと同じですね。盛り付けの美しさが味に大きく影響します。

こうして、欲しい人がいると信じて作り続けてきたVADでしたが、何しろ初めての試みだらけで、果たして本当に受け入れられるのか、だんだん不安になってきたそうです。

そこで、チーム・メンバーのモチベーションや生産効率を上げ、製品に自信を持つために、白木リーダーの発案で、あるイベントが開かれました。

普通は全く開発プロセスに入っていない工程です。
業務時間外に催され、自主参加したのは20名ほど(関わっている人の大半)でした。

さて、それは何だったでしょう???
答えは次の機会に!!
どうぞお楽しみに♪

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V-Drumsのラインナップにおけるプレミアム・シリーズ。アコースティック・ドラムならではの存在感と、電子ドラムをリードするRolandならではのV-Drumsテクノロジーを融合した、まったく新しいV-Drumsです。

当記事はメルマガ「ローランドの楽屋にて」のバックナンバーです。
本文中の製品情報や社員の役職等は配信当時のもので、現在とは異なる場合があります。

これからも全力でゆるい楽屋ばなしをお届けしてまいります!

ライター・プロフィール

楽屋の人:坪井佳織 (つぼい かおり)

電子ピアノや自動伴奏の開発に携わっていた元ローランド社員。現在、本社近くでリトミックを教えています。元社員ならではの、外でも中でもない、ゆるい視点でメルマガを執筆しています。どうぞよろしくお願いします。

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