未完成のエフェクトがまさかの!

配信日 2020・04・16

おはようございます。
坪井佳織です。

今日は、先週からのつづきで、SP-404/SP-404SXについて、当時の開発リーダー山田謙治さんにお話をうかがいます♪

SP-303の後継機種を開発する際に、「満足しているから何も変えないで!」という世間の声を大切に、ほとんどの機能をそのまま踏襲し、デザインやパッドの数を増やしました。

それから、“ローランドのサンプラー”の大きな特性として、エフェクトをさらに強化することにしました。

当時、開発チームにゴリゴリのDJをやってる若手社員がいました。残念ながら既に退社され、今、どこでどうしているのか不明なのですが、Hip Hopな雰囲気たっぷりで山田さんとしては貴重な相談相手でもあったそうです。あ、もしこれ読んでたら、ぜひご連絡を!

彼が新しいエフェクトを作ろうとしたのですが、どうしても目指す効果が得られず、未完成の状態で限界がきてしまいました。それで、肩を落として「で、できませんでした・・・」と持ってきたそうです。

しかし、エフェクトの音は作った本人以外には「こりゃすごいじゃん!」となり、当時のRoland US(アメリカ)のスタッフから提案を受けた名前を採用して、エフェクトの最後尾に搭載されることになりました。

それが、のちに定番として大人気になったDJFX LOOPERです!ちなみにDJFX LOOPERはこんな感じで音をループさせたり、ターンテーブルをスクラッチしたような効果をかけることができるエフェクトで、その後のSP-404がHip Hop/R&Bの定番機として活躍する一因となりました。

SP-404から4年後に開発されたSP-404SXも山田さんが開発リーダーでした。中のハードウェアのチップが変わったり、コンパクト・フラッシュがSDカードになったりしましたが、基本的にデザインも機能もほぼ、そのまま踏襲しました。

これはこれで、「同じにする」のが至難の技で、開発はとても大変だったそうです。

で、DJFX LOOPERがすぐに使えるようにボタン上に昇格しました。

もうひとつ、SXになるときに変化したものは箱です。

この部分は、ふたに隠れる部分なので黒ベタに仕上がるはずだったところ、「この写真かっこいいよね、何かに使えないかなー。そうだ!ここに印刷してまえ!」と、こっそり仕込んだものです。

けっこう評判が良く、偉い人に怒られなかったので、SXでは堂々とソレ用にデザインされてます。

SP-404/SP-404SXに関して、今、山田さんが開発者として感じているポイントは、大きく3つあります。

「SP-404が愛されるのは、SP-202、SP-303という先輩があったおかげ」

「息の長い製品になった結果、たくさんの方々が使ってくださったことで、ようやく完成することができた楽器だと思う。ウィスキーが熟成されたのと同じかも」

「開発中は元々好きな「音」は封印して、こっちの音楽の「音」を好きになろうと浸かってみた。今、そのジャンルの方たちによりカッコよく使っていただけているのが何よりも嬉しい」

前号では「当時のこと?もう忘れたー」とおっしゃっていた山田さんですが、可愛い我が子みたいに愛情たっぷりに語ってくださいました♪

ちょっと欲しくなった・・・。

これからも全力でゆるい楽屋ばなしをお届けしてまいります!

ライター・プロフィール

楽屋の人:坪井佳織 (つぼい かおり)

電子ピアノや自動伴奏の開発に携わっていた元ローランド社員。現在、本社近くでリトミックを教えています。元社員ならではの、外でも中でもない、ゆるい視点でメルマガを執筆しています。どうぞよろしくお願いします。

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