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秘密の開発部屋へ潜入レポ
配信日 2020・03・19
おはようございます。坪井佳織です。
(2020年)2月の新製品発表会にて大きな話題となった製品があります。その名も電子和太鼓TAIKO-1。
https://youtu.be/u5toItoir0w
名前、そのまんまじゃんw と笑っていたわたしでしたが、今回、開発したみなさんにお話を伺ったら、その理由がよく分かりました。和太鼓の愛好家や演奏団体は、日本国内のみならず、アメリカでは何万人もTAIKOの愛好者が居たり、ハリウッド映画の音楽にもTAIKOが流行ってたりして、今や世界中に広がっているそうで、この「TAIKO-1」という製品名は海外でも通用するそうなのです!笑ってごめんなさい。「こっち、こっち」と通されたのは、わたしが勤めていたころにもあまり足を運んだことのなかった、本社工場の片隅にあるアヤシイ部屋。扉を開けると、なんか大学の研究室か部室か、っていうような楽しそうな場所でした。
(太鼓と試作品の山!こんな部屋公開してOKなのでしょうかw)
「よろしくお願いします」って、もう取材は始まってるのに、開発部長(当時)の西 裕之さんがずーっと三味線をペンペンと弾き続けています。「まず、この部屋のこと教えてください」ペンペン・・・て、だから!!取材してるから!!ペンペン。まだ弾いています。ペンペン。
そういえば、ギタリストって、飲みながらしゃべりながらずーっとギター弾いてるよな、そういうのと同じなのかな。ペンペン。でも、え?太鼓だよね?マジでただ遊んでる?ペンペン。実はこれ、お客様をお迎えするときの「迎え太鼓」という歓迎の儀式だったらしいのです。開発段階で和太鼓関係のお客様をお迎えするときには、「日本の邦楽や芸能文化に敬意を払い、ただ電子和太鼓をつくるだけでなく、日本発信の文化を世界に広めるお手伝いをさせていただきたい」という気持ちを込めて演奏したそうです。
和太鼓って、そんな簡単に適当に叩けるものなんでしょうか?実は、TAIKO-1を開発するにあたり、まずは文化や奏法を学ぶために、製品開発リーダー(当時)の野村 晃太郎さんが実際に太鼓を習いに通ったそうです。それも1回2回ではなく、1回3時間ほどを半年に渡って!そこまでしますか?!その甲斐あって、太鼓についての基礎知識や奏法を習得しただけではなく、姿勢も良くなり、「打つ」格好もさまになりました。
ちなみに、和太鼓は「叩く」ではなく「打つ」というそうです(大事なことなので太字にしました)。
部屋の真ん中には人をダメにするクッションがあります。いいんですか、ダメになっても。こんなところまでが大学のサークル室のようです。
これは人をダメにするためではなく、太鼓をていねいに設置するためのものでした。
部屋の入り口にはこんな注意書きが。
あるとき、開発途中のTAIKO-1を最も安定する置き方、つまり鼓面(皮)を下にして置いていたら、太鼓奏者さんが「あぁっ・・・、き、気になる!!」とおっしゃって、「こんなことしたらめちゃくちゃ叱られる!」と太鼓文化を教えてくださったそうです。それ以来、電子楽器だとしても、同じ作法に従って取り扱いました。太鼓について教えてくださり、何度も浜松へ足を運んで開発に協力してくださったのは、新潟県佐渡市(佐渡島)に拠点を置いて活動する世界的なプロの太鼓芸能集団、鼓童(こどう)さんです。
新製品発表会のときの迫力ある演奏を聴いて、「和太鼓、かっこいい〜〜〜〜〜〜!!!!」と衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか。なんでしょう、日本人の心に響く音っていうか。実際、開発のために社内の防音室で和太鼓を叩いていると、「なになに?何やってんの?」と、どこからともなく人が集まってきたそうです。開発の人たちの分析によると、「太鼓の音って、どこか幼少期のお祭りのワクワク感を呼び覚ますんじゃないか」とのことです。確かに!「それにしても鼓童さん、すごかったよね〜!」そこから30分くらい、全員から寄ってたかって、新製品発表会で5人の鼓童メンバーが演奏した曲「巡」(MEGURU)がいかにカッコイイか、単なる日本の伝統に留まらない、ミニマル=ワールドミュージックの世界観がいかに素晴らしいか、まとめると「鼓童さんがどんなにかっこいいか」をキラキラした眼で力説されました。
https://youtu.be/3_vDafgrXTk
なんていうか・・・、あのー、ただのファンたち(笑)。まるで仮面ライダーについて力説する小学生男子のような眼差しです。秘密の開発部屋だったはずが、気づけばそこは和太鼓ファンサークルの部室。いや、分かるよ、うん、分かる。だってー、わたしもちゃっかりファンになって写真撮ってもらったものー。
というわけで、次回は、ローランド初の電子和太鼓開発の苦労話をお届けします!お楽しみに!!*
電子和太鼓 TAIKO-1公式サイト(演奏スタイル)>>
当記事はメルマガ「ローランドの楽屋にて」のバックナンバーです。本文中の製品情報や社員の役職等は配信当時のもので、現在とは異なる場合があります。
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これからも全力でゆるい楽屋ばなしをお届けしてまいります!
ライター・プロフィール
楽屋の人:坪井佳織 (つぼい かおり)
電子ピアノや自動伴奏の開発に携わっていた元ローランド社員。現在、本社近くでリトミックを教えています。元社員ならではの、外でも中でもない、ゆるい視点でメルマガを執筆しています。どうぞよろしくお願いします。
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