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SH-101開発秘話(後編)
配信日 2019・10・24
おはようございます、坪井佳織です。 SH-101といえば「太い音」が魅力のひとつですが、それは開発段階から意図的に狙ったとのことです。音の良さはオシレーターが肝になるので、いろんな部品を試して設計したそうです。当時のローランドは、1製品ごとに新しい技術にチャレンジさせてくれ、誰も文句を言わなかったから、このようなテストがたくさんできたそうです。
初めての部品のひとつに「ゴム接点の鍵盤」もありました。ところが、なんと、プログラムのデータを出した当日に、納品された試作を弾いてみたら「ノート・オフが遅い」というバグが出て、誤動作しまくったそうです。 プログラムはとてもシンプルで短かったので、間違えてるとは考えにくい。すると、どこだ?!どこだ?!と大騒ぎになり、調べまくったところ、ゴム切片がドーム状になっていて、鍵盤を押すと凹み、離すとポコンと膨らむはずが、凹んだまま戻っていないということが判明しました。最初の手造りの試作段階では精度が甘かったために、どこかに隙間があったんでしょうね、空気が入ってポコンと戻り、問題なかったわけです。 それで、ほんの少し隙間を作ることで空気の通り道を確保し、事なきを得ました。 さすがに肝を冷やしたそうです。 SH-101にはもうひとつ、特徴がありました。ネットで見る写真にはなかなか載ってないので、わたしも知りませんでした〜。みなさんはご存じですよね? それは、オプションでキーター(ショルダー・シンセ)にできるってことです。
グリップを取り付け、本革のオリジナルストラップを付けます。この本革ストラップ、カナダの業者から格安で仕入れることができたそうなのですが、ひとつひとつ、材質から色までバラッバラ。おまけに刻印されているのもRolandロゴだったりSH-101ロゴだったり、バラッバラ(笑)。あなたのお宅にはどんなのが届いてますかw? 秘話満載のSH-101開発なのですが、山端さんにとって、もっともっと忘れられないできごとがありました。 1982年11月14日、日曜日、山端さんは休日出勤をして、SH生産用の専用工具を制作していました。場所は航空自衛隊浜松基地のすぐそば、高丘工場(当時)でした。その日、朝からブルーインパルスのアクロバット飛行航空ショーが開催されていて、お昼ご飯を食べたあと、同じく休日出勤していた仲間たちは屋上にのぼって空を見上げていました。 すると、ものすごい爆音と地響きがして、すぐ近くに墜落するという事故が起きてしまいました。高丘工場は停電となり、朝から仕込んでいたコンピューターのデータはすべて消えて無くなったそうです。 全国ニュースでも繰り返し放映された痛ましい事故で、覚えている方もたくさんいらっしゃるかと思います。山端さんにとっても忘れられない開発の1日になったそうです・・・。 おぉ〜、気づけば山端さんのおはなしを5話も連載してしまいました。 わたしが一番心に残ったのは、“時代”です。学問、ロック、コンピューター、シンセサイザーなど、あらゆるものが発展する真っ只中を大学生〜若手の社員として駆け抜けた山端さんのお話は、超専門的な内容ですらワクワクしました。 小学生のときは“ご近所で故障したテレビを修理する無料サービスセンター”、中学生のときは“ジャンク品を組み合わせたアマチュア無線機を友人に販売”・・・と、ご自身の知識や技術を社会に還元するのがお上手だった山端さん。 おはなしの中には、アイデアから開発、販売まで一貫した確信を感じました。“絶対にできる”っていう。 わたしだけが聞いたのがもったいなかった!20代や30代の若者に直接聞いて欲しかったです!!
(山端さん、熱いお話をありがとうございました!)
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ライター・プロフィール
楽屋の人:坪井佳織 (つぼい かおり)
電子ピアノや自動伴奏の開発に携わっていた元ローランド社員。現在、本社近くでリトミックを教えています。元社員ならではの、外でも中でもない、ゆるい視点でメルマガを執筆しています。どうぞよろしくお願いします。
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