JUPITER-8やSH-101の開発者に会ってきた

配信日 2019・07・18

おはようございます。
坪井佳織です。

先日、TR-909を開発されたエンジニアのひとり、星合さんのプライベート・ライブに行ってきました。
また妙〜なものを自作して鳴らしていらっしゃいました。手に持っているものはスリッパです↓。左のトイピアノは、リサイクルショップで買ってきて、ご自分で修理されたそうですw

ローランドのレジェンド開発者さんって、ほんと、面白いです。

今日は過去にメルマガで紹介したTR-909JUNO-6の開発秘話に続くレジェンド・シリーズ第3弾、JUPITER-8やSH-101などを開発された山端利郎(やまばたとしお)さんにお話を伺いました。

山端さんは三重県のご出身で、幼い頃は電気少年であり、音楽少年でした。

小学生の頃は近所で「あそこんちの坊主はテレビやラジオを修理できるらしい」と評判になり、無料の私設サービス・センターになってたそうです(笑)。すご〜!

中学に入ると、ジャンク品をタダ同然で仕入れ、パーツを取り、アマチュア無線機を自作して友だちに販売。まるでスティーブ・ジョブスです。

今までにメルマガで紹介したレジェンドと山端さんがちょっと違うなと感じたのは、「自分が好きでやってるだけ」ではなく、それを「サービス」「販売」まで繋げているところです。この感覚がJUPITER-8やSH-101などの大ヒットにつながったのかな、と思いましたが、その話はのちほど。

山端さんが音楽好きになったのは、時代的にごくごく自然な流れでした。

受験勉強しているふりをして、深夜の洋楽チャート番組をチェック。CCR、ELP、ピンクフロイド、Deep Purple、サンタナ、クラプトン・・・、次から次へと大物アーティストの来日公演がありました。

「初来日が続いて、たぶん、彼らも東洋に来られるっていうんで気合が入ってたんやろうね、どの演奏も素晴らしく良かったんですよ」

わたしは当時小学生で、あとから聴いた派なので、こうしてアーティスト名を羅列するだけでも、すごい時代だったんだなぁって手が震えます・・・。

中でも1972年、伝説となったELP(エマーソン・レイク&パーマー)甲子園公演に、1泊して行かれた話はすごかったです。

有名な話らしいんですけど、途中で興奮した観客がなだれ込み、警察がアンプの電源を切ったそうなんです。その後、カール・パーマーが20〜30分、生音でドラムソロ。観客の暴動は収まらず「本日の公演はすべて終了しました」とかなんとか、アナウンスでお開きになったそうです。

その後、山端さんたちはホテルに戻り、持参したラジオで、生放送されていたチック・コリアの公演 in 合歓の郷を聴いたそう。

このときの前座がFREE。この3組が同時に日本にいる時代って、すごくないですか?

その頃、他のレジェンド開発者の御多分に洩れず、山端さんも『電子展望』という雑誌に連載されていたシンセサイザーの回路図を見て、エフェクター、アンプ、シンセなどを自作していたそうです。「見れば誰でも分かる、よい記事だった」とのことですが、いやいやいや・・・。

大学では物理学を専攻されました。

地球物理学でプレート理論がまだ仮説だった時代で、物理学と化学、生物学など、さまざまな学問が結びついて仮説が立てられ、その証拠がどんどん出てきて・・・という学問の発展期だったから面白かったそうです。主に研究されていたのはプラズマ物理だったとのこと。

その頃、研究に使う実験装置を外注で制作していたのですが、何しろ実証のない研究目的ですから、仕様を伝えてその通りのものを作ってもらうのがとても難しかったらしいんです。

そこで、山端さんは教授に「僕、電子工作得意ですから、作りましょか?」と提案し、なんと、今でも論文にお名前が掲載されています!!

・・・というわけで、

・強烈な音楽体験
・シンセ自作
・大学で興味深い研究


という、レジェンド開発の三種の神器が整いまして、ついにローランド就職へコマを進めます。

が、ここでちょっとだけ問題が発生します。

・・・来週へ続く!!

これからも全力でゆるい楽屋ばなしをお届けしてまいります!

ライター・プロフィール

楽屋の人:坪井佳織 (つぼい かおり)

電子ピアノや自動伴奏の開発に携わっていた元ローランド社員。現在、本社近くでリトミックを教えています。元社員ならではの、外でも中でもない、ゆるい視点でメルマガを執筆しています。どうぞよろしくお願いします。

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