社内に音楽教室がある会社

配信日 2018・12・20

メリークリスマス、坪井佳織です。

わたしは、メルマガを書いているとき以外は、音楽教室の先生として子どもたちにリトミックや歌を教えています。

そんなわたしに、「社内の有志で音楽教室やってるからさ、取材に来てよ!」と、めっちゃ昔からの知り合い、人事部の大江さんから声をかけていただきました。

ふぅん、プロとして見せてもらいますわよ、ローランドさんの社内音楽教室を!!

きっかけは、誰でもアイデアを提案できる社内掲示板「アイデアの種」に寄せられた、こちら↓の投稿だったそうです。

この投稿がきっかけで「なにそれ楽しそう!」、「社内活性化になるのでは?」と掲示板が盛り上がり、人事部が動きました。

まずは、ローランド本社工場内で使われていなかったスペースに、「誰かー、DIY手伝って〜」に反応した10名弱の社員たちが集まり、掃除をし、余っていたカーペットを敷いて、楽器を組み立て、こ〜んなお部屋が作られました。

業者に頼むでもなく、お金をかけるでもなく、あるものでこういうことをやってしまうあたり、ほんと、ローランドってDIY精神のDNAが流れてるんだなー、と思います。で、これがまた、案外ちゃんとできてるんですわ!

教室の名前は、社内公募で決定した「かなでるーむ」。
休憩時間に、社員なら誰でも自由に使うことができます。
土足禁止にしたのは、「車座になって音楽を楽しめるように」というねらいがあったそうです。

講座は全9回。
講師は演奏経験のある社員で、レッスン内容は完全お任せです。
就業時間後に開講されており、定員に対して希望者が多かった場合は、「なるべく初心者」が優先されます。

これまでに既にドラム教室、ギター教室が開講されていまして、今回、新たに募集されたのが「開発リーダー自らが教える、エアロフォン教室」!

集まったのは、部署、入社年度、楽器経験など、経歴がバラバラな9名の皆さんです。

大人になってから、しかも、社内で楽器習うって、どういう動機があるんでしょうね。

「Tスクエアが好きで、リリコンの音に憧れてたんですよね。

ギターでコピーとかしてたんですけど、ギターは減衰音でしょ?管楽器で、音を伸ばしてる間に表現つけられるっていうの、やってみたかったんです」

とおっしゃるのは、先月メルマガに登場いただいた、プロダクト・デザイナーの上杉さんです。

記事はこちらです。

エアロフォンのマウスピース部分の機構を設計した機構技術部の佐藤さんは、「僕なんて強度や耐久性をチェックするために製品をいじめたり壊したりしたことしかないから、たまには弾いてみたい」ってことで参加されました。

笑っちゃったのは、

「娘に、作ってるくせに吹けないの?!って言われたから」。

これ、メーカーあるあるですよね。

その他、「いつか楽器弾いてみたかった」、「エアロフォン買おうかなーって思ってて」「天空の城ラピュタのパズーみたいに、朝起きてすぐトランペット吹いてみたい」。

すかさず寺田センセイが「ハトと少年」を吹いてくださり、「おぉ〜〜!」と拍手が起こりました。

↑センセイの演奏に聴き惚れる参加者 (寝てるわけではありません)

朝起きてすぐ、あのトランペットの音ってなかなか出ないですよね〜、楽器温まってないしね。

そんなとき!!!

エアロフォンなら大丈夫!
起き抜けの冷えた空気の中でもスイッチひとつで狙ったピッチが出せますから(笑)。

開発リーダー、寺田センセイにとっても、「初めてエアロフォンを触る方がどんなことにつまづいたり、どんなことを楽しいと思ったりするのか知りたいから、喜んで講師を引き受けた」とのことでした。

また、さまざまな事業所の社員が集まることで、「あー、いつも電話で部品取り寄せを頼んでる○○さんって、こういう方だったのかー」なんていう交流もあるそうです。

取材に伺ったのは、第一回目のレッスンでした。
↓ こちらが寺田センセイの指導セット。

パソコン、タブレット、吹奏楽練習用キーボードのJUSTY(こちらも寺田センセイが開発リーダー)です。さすが、エンジニア先生!セットがテクノロジ〜。

マウスピースを取り付け、持ち方やストラップのかけ方を教わった後は、

「エアロフォンは吹けばすぐに音が出ますから、早速演奏してみましょう!」

と、さりげなくセールス・ポイントもまじえつつ、「ドレミファソラシド」から吹いてみるようです。

ふっ・・・。
甘いな、にわか先生め。
ドレミファソラシドって、全然つまんないから、最初から曲にしてあげた方が初心者のモチベーションは上がるんだよーだ!

「小学校のときに習ったリコーダーを思い出してください。
ちょっとだけ違うんで、これ(運指表)見て、じゃ、2拍ずついきますよー」

「あれっ?
こうかな?」

「なつかしー!
思い出してきた!」

「吹けるもんですね〜〜」

「誰か、ひとりだけバリトンサックス吹いてない?」

「わー、オクターブ・ダウン(ボタン)を押しちゃってた〜!」

「それだ!ワハハハハ」

「もう一回!
今度はドシラソファミレドって戻ってきてみましょう」

ちょ。

ちょ、待て。

顔が笑ってるわたしがいる。

吹いてみたいわたしがいる!!

しかも、曲とかメロディーとかじゃなくていい、ドレミファソラシドをエアロフォンのいろんな音で吹いてみたいわたしがいる!!!

ドレミファソラシドを求めてるわたしがいる〜〜〜〜〜!!!!!

楽しそう〜〜〜〜〜!!!
やってみた〜〜い!!!!!!!!

今まで、何度も何度も目の前で吹いている人を見たことのあるエアロフォンでしたが、初めて!初めて!!「自分も吹いてみたい」って思いました。それが「ドレミファソラシド」でした。

なんでだろう??
「今すぐできそう!!」って思ったからかな。

わたしなんて、やろうと思えばいつでもできる環境にはあるのですが、こうして、初心者同士で集まって、しかも社内で、自社製品でっていうのが楽しさ倍増!って感じがしました。

みなさんの上達が楽しみです♪

さて、クリスマスですね。
街中でクリスマス・ソングが鳴り、ワクワクします。

わたしが好きな曲は、バンド・エイドの「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」、ビーチ・ボーイズの「リトル・セイント・ニック」、ルロイ・アンダーソンの「そりすべり」・・・、いろいろありすぎてキリがありません!

みなさんの好きなクリスマス・ソングは何ですか?

これからも全力でゆるい楽屋ばなしをお届けしてまいります!

ライター・プロフィール

楽屋の人:坪井佳織 (つぼい かおり)

電子ピアノや自動伴奏の開発に携わっていた元ローランド社員。現在、本社近くでリトミックを教えています。元社員ならではの、外でも中でもない、ゆるい視点でメルマガを執筆しています。どうぞよろしくお願いします。

メルマガ「ローランドの楽屋にて」

もちろん無料です。

登録解除はいつでも簡単にできます!