TR-1000 Rhythm Creatorは、アナログの温かさ、デジタルの緻密さ、自在なサンプリングを融合し、ジャンルを超えたパワフルな楽器へと進化しました。
オンライン・ゲームをライブ配信するときのサウンドを、BRIDGE CASTで一気にレベル・アップしよう。
Backstageは、ローランド/BOSS・プロダクト・オーナー専用の会員サイトです。製品の登録、メールニュースなどのメニューをご用意しています。
ローランド公式のYouTubeチャンネルです。最新製品の紹介、製品の使い方解説など、様々な動画コンテンツをご用意しています。
ローランドのLINE公式アカウントです。最新の製品ニュースやサポート情報、お得なお知らせを皆様の元へお届けしています。
調べたい製品名や型番が分かる場合は、こちらからサポート情報を検索してください。
知りたいことや困ったことを「質問」すると、詳しい人から回答やアドバイスをもらえる、ユーザー同士のコミュニティ(コミュニケーションの場)です。
ベルサイユからローランドへ
配信日 2018・04・19
おはようございます。 今週からお読みくださっているみなさん、はじめまして、ライターの坪井佳織です。
わたしは大学でフランス語を専攻してました。そのころには既にローランドでバイトしてまして、「ローランドの仕事が面白過ぎて勉強をやる気が起こらないけど、早く社会人になりたいから卒業させてくれ」とお願いして、教授会議にかけられた挙句、卒業できなかったというトンデモエピソードから今日のメルマガを始めたいと思います。ちなみにそのとき決まっていた1年間の留学も3ヶ月に短縮して帰って単位を取らなくてはならなくなった、という挫折人生。
高校生のときに聞いたフランス・ギャルやシルヴィ・バルタンなどのフレンチポップスに衝撃を受けてフランス語科に行ったんですけど、結局、習得したことといえば「ベルばらの読み方がさらにマニアックになった」くらいですかねー。実際に訪れたベルサイユ宮殿の出口付近に飾ってあった肖像画を見て「フェ、フェルゼ…ン?」と軽くショックでした。興味があったら画像検索してみてください。
ベルサイユのばらといえば宝塚歌劇団ですよね。
みなさんは、宝塚歌劇団が私立だって知っていましたか?わたしはてっきり国立かと…。元々は阪急電鉄が電車に乗って見に来てもらうために設立したものだったそうです。そのため、現在も歌劇団員は阪急電鉄の正社員だそうですよ!知らなかった。
本日、メルマガでご紹介するのは人事部(浜松研究所スタジオ)市橋 秀麿(いちはし ひでまろ)さん。市橋さん、なんと前職は宝塚歌劇団スタジオの音響さんだった方なのです!!お名前が芸名みたいです。
スタジオのスペシャリスト、市橋さんにローランド浜松研究所の施設をご案内していただきましたのでレポします。
浜松研究所は、浜名湖のほとり、抜群のロケーションにあります。20年前にわたしが勤務していた事業所です。まずはこちら。スタジオです。
楽器解析のための収録やプロモーション動画/使い方動画のための撮影などが行われています。市橋さんの後ろはドラムブースです。ローランドのデジタルピアノやVドラムは単純なサンプリング方式ではなく、楽器のふるまいを高い次元で再現するモデリング方式のため、スタジオではスネアドラム1つに10本以上もマイクを立てて、徹底的に音の解析が行われているそうです。収録や解析の様子は、さすがに企業秘密とのことで見せてもらえませんでした!
グレーのカーテンとブルーのカーテンは、撮影をするときに背景を変えるために使います。天井にはさまざまなシーンを演出する照明システムが設置されていて、グイーンと降りてくるようになってます。
スタジオからコントロール・ルームへつながる廊下は、密閉するとボーカル・レコーディング・ルームになっていて、壁に各種端子が接続できるようになっています。
このミキサーは、おいくらくらいなんだろう…、すごい金額であることは確かですが、今は全部コンピューターでやっちゃうので、ほとんど使われていません。
市橋さんは、1982年、リットーミュージックの『サウンド&レコーディング・マガジン』が創刊された頃にサウンドエンジニアになりました。スタジオでは、まずは「Tea boy(ティー・ボーイ)」といって、お茶運びからスタートし、見て聴いて、技術を盗んでいくんだそうです。「Tea boy時代はどんなことを考えてたんですか?」と聞いたら、「どんなことであっても、その場にいられることが嬉しくて楽しかった」そうです。
宝塚時代のおもしろエピソードとしては、公演を撮影・録音することになったとき、ピンマイクに衣装の金属製パーツが干渉して入るポツ、ポツというノイズを取る作業、通称「ポツ抜き」をやったそうです。1秒間で38cmというテープの該当箇所を、カッターナイフで数ミリ実際に切って貼る、という恐ろしい作業中、間違えて師匠がミックスした大事な箇所を切って紛失してしまったそうなんです!それでオリジナル録音に戻り、見よう見まねでTea boy、市橋さんが編集した部分が、バレずに差し込まれたらしいです。
7年間の勤務ののち、ローランドの採用募集を見て「そろそろ定職に就こうかなー」と応募したのが1989年のことでした。
こちらは無響音室。スピーカーの特性を調べたりします。ローランドの設備の中でももっとも「見てみたい!」と人気があるお部屋です。
パネルみたいに見えるのは木ではなくてスポンジみたいな素材です。ネットが貼ってあり、床はありません。入ると全く響かないので、距離がよくわからなくて変な感じがします。映画館とかドーム球場の音質をもっと変にした感じ。
さて、場所を変えまして、こちらはホールです。
椅子の裏に吸音の穴が空いているので、お客さんが埋まっていない状態と、お客さんが埋まっている状態の差が少ないのです。ここまでこだわっているホールの椅子は少ないと思います。
壁にはスピーカーが埋め込まれていてRSS(Roland Sound Space/3次元音響処理)という技術でホールや大聖堂などの残響を忠実に再現します。
スタジオ棟とホール棟の間には、ローランド・ミュージアムがあります。下の画像をクリックするとGoogleストリートビューで中を見ることができるので、ぜひぜひ見てみてください。
いかがでしたか?
実はわたしも、個人的に市橋さんのレコーディング技術にお世話になったことがあります。社員時代は、スタジオで歌やナレーションを録音したり、ビデオ撮影したり。ローランドはけっこう、社内で音楽制作する機会がありました。
当然…、
むちゃくちゃ楽しいです!
市橋さんがローランドを好きな理由は、「なにごとも80点を目指さないところ。とんがってるところ。アホみたいなところ。製品がおもしろいところ」だそうです。わたしもそう思います!
新しい記事を読む
バックナンバーTOP
古い記事を読む
この記事をシェアする
これからも全力でゆるい楽屋ばなしをお届けしてまいります!
ライター・プロフィール
楽屋の人:坪井佳織 (つぼい かおり)
電子ピアノや自動伴奏の開発に携わっていた元ローランド社員。現在、本社近くでリトミックを教えています。元社員ならではの、外でも中でもない、ゆるい視点でメルマガを執筆しています。どうぞよろしくお願いします。
メルマガ「ローランドの楽屋にて」
もちろん無料です。
登録解除はいつでも簡単にできます!
メルマガを購読する