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どうかしてるゼ!
新製品TR-06!!!

こんばんは。
坪井佳織です。

ローランドのレジェンド・ドラムマシンといえば、TR-808、909が有名ですが、みなさま、TR-606をご存知ですか?

TR-606は、1981年にTB-303とセットで発売された、TRシリーズのエントリーモデルで、808や909に比べて安価で、電池駆動でした。

こちらが当時の広告です。
び、び、び、び、びっくり!!!!
なんと、ジャズピアノのレジェンド、オスカー・ピーターソンがこちらを向いて笑っております。

(編集部注:大人の事情によりイラストで再現しています)

当時はこんな風に、デジタルピアノとセットでベースとドラムの伴奏として使ってね!という打ち出しだったんですね〜。

本日、TR-606を可愛らしく現代に蘇らせたBoutiqueシリーズにTR-06が仲間入りしましたー!

か、か、可愛い〜〜♪

RPG第3開発部より、永澤 拓さんがお話を聞かせてくれました。

永澤さんは、某大手自動車メーカーからローランドへ転職した、「なんでまた?!」という経歴の持ち主です。キムタクもびっくり。上等じゃねぇか、逆境なんて。やっちゃえ、永澤さん!ですね。わたし世代には「がんばれ永澤さん!」の方が馴染みがありますが。

「なんでまた?!」な転職には明確な理由がありまして、かつて、大学の仲間と一緒にこんなシンセメーカーを作ってモノづくりイベントなどに出展していたそうなのです。お仲間は今も活動中です。

「中学時代にパソコンを自作した流れで、BOSSのSD-1を模したエフェクターを作ったんです。 そこからシンセを作ってみたくなり、そのために大学に行って信号処理を学び、晴れて、シンセを作るようになりました。

ローランドに入社したときに最初に取りかかった仕事が、SYSTEM-500を生産するためのアナログ回路の最終調整でした。こんな楽しいことやって、お金もらっていいの?!って思いました」

永澤さんの持論では、TR-606の魅力は「とにかくハイハット!なんといってもハイハット!何はともあれハイハット!」だそうです。

電池駆動ゆえの幅の足りなさのために、絶妙にハイハットが歪んでいて、それがTRシリーズの中でも最上級の存在感を生んでいるらしいです。

TR-06は他のBoutiqueシリーズと同じく、ACB(Analog Circuit Behavior:アナログ回路のふるまいをモデリングするローランド独自の技術)でTR-606を忠実に再現しています。永澤さんは、TR-06を設計するにあたり、元になるTR-606の回路図を眺めて、こう叫びました。

「なんだこれは?!
どうかしてるゼ!!!

実は、TR-606のスネアとタム、ハイハットは、TR-808並みのアナログ回路が詰め込まれています。さらにハイハットには何故か新しい機能が追加されていました。テンポによってディケイ(減衰音)が長くなったり短くなったりする、という機能です。つまり、テンポを速くするとキレが良くなるってことです。

唯一、バスドラだけはおそらくコストの関係でシンプルな構成になっています。

「スネアやタムはTR-808並みのサウンドを持ってるんですよ。ハイハットの存在感もすごく、あのサイズにこれだけ詰め込めるなんて驚きです。

ただ安くするために手を抜いたわけじゃない、当時の技術者たちの開発魂が伝わってきて、思わずどうかしてるゼ!!!って叫びました。当時は、ぼく、まだ生まれてませんから」

なんか嬉しそう〜。

「TR-606のキックは、TR-808や909と比べるとややチープな音がするんですよ。これはこれでいい音なのですが、TR-06にはこっそりACBの808っぽいキックと、909っぽいキックを入れてますので最強のTRになりますよ!あと、ハンドクラップやリムショットも入れときました!」

めっちゃサービス追加じゃないですか!
永澤さんだって、どうかしてるゼ!!!

「リズムマシンを初めて買う人にぜひ使っていただきたいです。オリジナルのTR-606とほぼ同じ操作なので、買ったらまずTR-606の説明書を読んで、いろんなリズムを打ち込んで欲しいです。」

TR-606といえば、一部のみなさんはご存知でしょうか・・・、検索するとサジェストキーワードとして「改造」が出てくることを・・・。
というのも、TR-808や909と比べて安価で流通していたため、「TR-606といえば改造」といわれるくらい気軽に改造されまくっているそうです。

こらー、だめダロが!
そんなことしちゃあ!!

・・・ということで、TR-06はこんな設計になっております。

分かりますか?
普通はあり得ないんですけど、線に端子がかかってます。開発部から改造マニアへの「可愛がってくれて、ありがとなー!」のお返事です。

この端子は、TR-06が自分で自分にトリガーを送り、意図しないかっこいいパターンが生み出されます。他にも、リズムパターンの音をランダムでミュートしたり、サブビートで連打できたり、エフェクトをかけたりと、本家606を現代のエンジニアが作ったら・・・という遊びがたくさん入っていて、この1台で相当楽しめます。

永澤さんが簡単にかっこいい使い方をするのを見て、わたしもすっかり欲しくなってます。これは、見てもらうのが一番早い!ということで、こちらをご覧ください。 どうかしてるゼ!!!永澤さん!です。

【TR-06を開発者が演奏してみた】
https://youtu.be/DabjaWOxIaM

楽しそ〜〜♪
ぜひ、楽器店でめでてみてください♪

ライター

ライター・プロフィール

楽屋の人:坪井佳織 (つぼい かおり)

電子ピアノや自動伴奏の開発に携わっていた元ローランド社員。現在、本社近くでリトミックを教えています。元社員ならではの、外でも中でもない、ゆるい視点でメルマガを執筆しています。どうぞよろしくお願いします。

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