ハードウェアとコントロール・ソフトウェアをパッケージ
VariPhraseは独自のエンコード技術により、ピッチ/タイム/フォルマントを自在にコントロールできるローランドならではのテクノロジー。VariOSは、1Uラック・サイズのハードウェア・プロセッサー“VariOS”と、USBを経由してパソコンからVariOSをコントロールする“V-Producer for VariOS”ソフトウェアの組み合わせにより、VariPhraseをフルに活用した音楽制作をかなえるパッケージです。ハードウェアとソフトウェアを統合することにより、単にオーディオをサンプリング/再生するだけでない、よりクリエイティブな制作環境を実現します。
VariOSは、最大同時発音数14音の6パート構成。32Mバイトの内蔵フラッシュ・メモリーを搭載し、PCカードによるデータ・ストレージにも対応しています。また、パソコン(Windows/Macintosh)とUSB接続時には、コントロール・ソフトウェアV-Producer for VariOSでファイルを開くだけで、自動的にオーディオ・データのVariOSデータへのエンコードと転送が行われるため、パソコンとVariOSを接続していることを意識させないシームレスな環境が実現。ソフト・シンセ/サンプラーのような直感的な操作性と、ハードウェアならではの強力なプロセッシングが融合しています。
VariOSでは、簡単なオペレーションでVariPhraseならではの自在なリアルタイム・オーディオ加工が行えるため、音楽プロデューサーやCMクリエイターからリミキサー、既存のDAWユーザーまで、幅広いクリエイター層に新たな音楽制作スタイルを提供します。
V-Producer for VariOS
V-Producerを使えば、パソコンからウェーブ・ファイル(WAV/AIFF)をVariOSにインポートが可能。また、V-Producerで作成したソングはウェーブ・ファイルとして出力することもできるので、あたかもパソコンによる波形編集処理の一環のようにVariOSを使用することができます。
VariOSに転送されたウェーブ・ファイルは、パソコン側の画面で波形表示が可能。トリミングや再エンコードなど、画面の波形を確認しながらマウスで素早い作業が行えます。
エンコードが終了したサンプルは、バリ・トラック上に配置してソングに組み上げることができます。「フレーズ・スコープ画面」では、キーボード入力で部分的にメロディー・ラインを変更したり、MIDIキーボードを演奏してまったく新しいメロディー・ラインをつくったり、瞬時にハーモニーをつけるといったことも可能。VariPhraseならではのリアルタイム・オーディオ・コントロールでフレーズを自在に変化させることができます。
また、新たに追加された「グルーブ・スコープ画面」では、リズム・パターンの再構築が手早くしかも思いのままに行えます。自動スライス機能でスライスしたサンプルを鍵盤に割り当て、リズム・マシン感覚での編集が可能。各スライスの入れ換えはもちろん、個々のスライスに対して自由にピッチ/タイム/フォルマントなどを変化させることができるので、リズム・パターンの組み換えやフレーズの再構成などがクリエイティブに行えます。
外部のDAWソフトウェアとの同期も可能
V-Producer for VariOSで作成したソングは、ウェーブ・ファイルとして書き出し、他のシーケンス/DAWソフトウェアで使用できるほか、MIDIクロックやMTCによる同期再生も可能です。例えば、CMの音楽制作などでは、制作時は映像を確認しながら同期再生状態で音楽づくり/ミキシングなどを行い、完成後、ウェーブ・ファイルとして出力し、DAWソフトウェアでナレーションなど他の録音パートとミックスするといったスタイルも可能。効率的に作業を進めることができます。
多彩なマルチ・エフェクトを搭載
マルチ・エフェクト、コーラス、リバーブの3系統のエフェクターを内蔵。マルチ・エフェクトは強力な40種類のエフェクトで構成。コーラスは8種類、リバーブも9種類搭載しました。いずれも専用グラフィック画面によってパラメーターを細かく設定可能。また、各パートごとにエフェクト・センド・レベルやパンなどをコントロールできるミキサー・ウィンドウも装備しています。
充実の入出力端子を装備
VariOSは、アナログのメイン・アウトプット(L/MONO、R)に加え、ダイレクト・アウトプット(L、R)も装備。外部ミキサーを併用することで、より緻密なミキシングや外部エフェクターを使用した音づくりが行えます。また、デジタル・オーディオ出力端子はオプティカル、コアキシャルの両タイプを装備しています。
VariOSのサンプル・エディット、ソングの作成などは、V-Producer for VariOSで行いますが、あらかじめサンプルやパフォーマンスをVariOSに保存しておけば、ライブ・パフォーマンスなどではVariOSを単体音源として演奏することができます。もちろん、フロント・パネルのPITCH/TIME/FORMANTつまみによるリアルタイム・オーディオ・コントロールが行え、MIDIキーボードからのコントロール・チェンジで制御することも可能です。
V-ProducerがMacOS X対応に。VariOSをシンセモジュールとして活用できるアプリケーションも登場。
発売以来、好評をいただいておりますVariOSの同梱ソフトウェア“V-Producer for VariOS”が、これまでの動作可能OSに加えて、Mac OS XとMicrosoft(R) Windows(R)98SEにも対応。さらに、バージョンアップにより、WAVファイル、AIFFファイルのほかに、SD IIファイルの読み込みが可能になりました。また、ループ・フレーズを多数収録したオーディオCDを追加同梱。V-Producerを活用してさまざまな音づくりが楽しめます。
アナログ・モデリング・シンセサイザーの“VariOS-8”と、アナログ・モデリング・ベース・シンセサイザー“VariOS 303”をVariOSモジュールにインストールすれば、システムを切り換えることでVariOSをシンセサイザー・モジュールとして使用することができます。パソコンで音色エディットなどができるコントロール・ソフトウェアももちろん同梱。多彩なサウンドを自在につくり上げることができます。
同時に、ハードウェア“VariOSモジュール”のオープン・システム・アーキテクチャーを体感できるトライアル・アプリケーションを2種類収録しました。
リア・パネル